滋賀県と岐阜県、二つの県に跨ります。 「岐阜県琵琶湖博物館」「アクア・トトぎふ」及び「森の水族館」の三つを訪れてしまおうという、贅沢な企画であります。
しかし折り悪く、世は夏休みシーズン真っ直中。
まあ宿が高い高い。
……ま、しかし岐阜や滋賀なんて今後の人生、再び訪れるかも謎ですからネ。一度きりと言うことで、奮発して行って来ましたよ。
ああ、しかし高いなあ(庶民)
新幹線で爆睡し、気づけば米原。米原から東海道本線で草津へ到達。トータルで3〜4時間くらいですかね。
眠っていかないと長いけど、夜行使っていくのもどうかなあ?な距離ですね。
草津と言えば温泉!……と言いたい所ですが、草津温泉があるのは群馬!
滋賀健の草津は、何にも無いただの田舎町です(失礼)
だから、ここには琵琶湖博物館のためだけ!に来たのです。
あと鮒鮨。
なんもない。
駅ビルもほぼまるでないかなりの田舎町でした。
それでも、夏休みの、しかも日曜日ですから、琵琶湖博物館を目指すバスには、子供軍団が次々と乗り込んできます。
なんか、地元子供会かなんかの遠足みたいのにかち合ったらしい。
最悪だ(汗)
水族館巡りの旅にとって、子供ほど恐ろしいモノは無いのです。
でも、まあ是非も無し是非も無し。
琵琶湖博物館に入るとするぜ。
入り口から入館すると、でかいホール。
博物館的性格が強い……って、そういえばここ博物館でしたっけね。
博物館スペースも気にはなるんですが、今回のメインは水族館ですので、水族館スペースを目指します。
奥へ、奥へ。
「水族館」ではなくて「水族展示室」。
あくまで博物館の一スペースというスタンスなのですね。
魚がたくさん泳ぐスペースなのですが……
子供が多くて見れやしない(汗)
その先にあるのが、
このトンネル水槽です。
黄色いビワコオオナマズとかが居るんですよ♪
ホラ。
まあ、アルビノ個体って事なんでしょうけど、日本最大のナマズであるビワコオオナマズですから、それなりに迫力があります。
やる気は無いみたいですけど(汗)
トンネル水槽を抜けると、
なにやら暗くなって参ります。
暗闇に浮かび上がる、
ビワコオオナマズ再び!
ただしこちらは通常の色で、大きさも先ほどのモノよりあるみたいです。
やっぱりなかなかデカいですね(笑)
水槽の底の方にもう一匹隠れているんですが、あちらは息を潜めて出てこないのに、こちらは実にサービス精神旺盛です♪
続きましてはアユの水槽。
小さなアユがやたら居ります。ビワコにいるのはコアユと呼ばれ、種類は同じですが大きくならないのだと言います。だからこの小さなアユの群も子供ではなく立派な生魚。それどころか日照条件を制御する事で、一年しか生きないアユを長生きさせているとの事ですから、既に結構なお年と言うことでしょうか。
人の性とは……
ほかにも琵琶湖の固有種が展示されていて、ここでしか見られない(と思われる)魚がいろいろと居り、楽しませてくれます。
そして琵琶湖と言えば……忘れちゃいけないのが外来生物!
恒例のオオクチバスやブルーギル等だけでなく、亀やザリガニ、果ては植物まで。
今回、鮒寿司が食べたくて(オイ)琵琶湖くんだりまで来た私ですから、こいつ等の流入は、結構深刻だなぁ。
水面で光っているのは、照り返しではなくて雨。
なんでもこの日は、東京以外は雨だったとか。
この後もスコールが降ったりやんだりで、悩まされました(涙)
古賀賞を筆頭に、ずらりと並ぶ繁殖賞の数々☆
博物館の一スペースだからって侮ってはいけません。
ここは、立派な水族館なのです。
他の場所ではあまり見かけないのが、アジアなどの河川の魚たち。
この魚はエンツユイ。
サッカーという種類の仲間で、長江に棲む食用魚だとか。
背鰭が特徴的ですが……これを食べるのかチャイニーズは。
人の性とは(くどいね)
水族コーナーの最後を飾るのが、古代魚のコーナー。
ガーやチョウザメなどが巨大水槽の中を悠々と泳ぎます……が。
・ ・ ・
でかいいいいぃぃぃ!(T△T)
ナニコレナニコレ(焦)
これ、チョウザメですよね。
バイカルチョウザメですよね。
3M近いんデスケドッ……!
怖いよう怖いよう(私はチョウザメが苦手)。
・
と、まあ水族スペースはこんな所デス。
あくまでここは博物館ですから、他にも色々と見所はございます。
琵琶湖周辺の人々の暮らしや太古の生き物、お遊び的な体験学習コーナーにブラックバス料理が楽しめる食堂など。
本当はそっちも存分に味わい尽くしたかったんですが、何しろ人が多く、バス天丼が食べられなかったのが心残りです。
でも、鮒寿司は買ったゼ。
琵琶湖博物館は、琵琶湖の直近に建つ大きくて綺麗で、魅力的な博物館。水族館スペースはその中の一部に過ぎないのにかなり本格的に水族館していて、また結構珍しい淡水魚もいたりして。
水族館スペースだけでも2時間くらい十分掛かるというのに、博物館スペースにも巨大な古代ゾウの複製骨格や昔の家、琵琶湖の特産物や漁業の情報など、まともに見たら半日以上掛かってしまうでしょう。
私は今回急ぎだったし、人も多かったので100%満喫したとは言えませんが、それでもとても楽しかったです。
ただ、ね。
時期が悪かったのかなぁ。
お子様の多さと降り注ぐスコール、蒸し暑さには辟易でした。
そうやって滋賀を後にしまして。
今回の宿に定めた岐阜県は長良川温泉に到着した訳なんですが。
これが高いだけあってモノスゴい宿でして。
食事なんて部屋でだしね。
一人で来たのがもったいない感じでした。
ま、それはともかく。
滋賀で買ってきた鮒寿司に、レッツトライ!
……ふむ。
強烈……って程では無いですが、確かに臭う。
このスエた感じ……はて。
をお!
これはアレだ。
生ゴミの臭いだ!
口に含んでみると、強烈な酸っぱさ。
でも複雑。
「酸っぱい」っていう味にも、何層も何種類もあるんだなあと、新たな感動ですよ。
皮はかなり固いですが、不快な程じゃない。
肉も泥臭くも生臭くもない。
卵のコクが嬉しい☆
……まあ、「こういうモンだ」って知ってなければ捨ててますがね。パッと見腐ってるっぽいし(笑)。
お酒が欲しくなりますね。
そんな、鮒寿司。
さぁ、二日目だ!
今回は長良川の宿から特急に乗り、高山まで足を延ばしますよ。
……まあ、まだ雨はヒドいんですけどね。
長良川の鵜飼が、中止になるくらいです。
大雨洪水注意報だってよ(汗)。
警報じゃないだけ良い。
朝御飯もそこそこに宿を飛び出し、8時6分発の特急・ひだ1号にて高山に向かいます。
そしたら雨のせいで電車が徐行運転だという。
……あんまり遅くなるとキツいなあ。
おまけに単線なのに反対方向の電車が来ず、それ待ちで電車が遅れること30分以上!
フザけんなー天候!
走っては止まり、止まっては徐行。
まあ、山には霧が掛かり、川はおしなべて濁流の激流……ってのを見れば、仕方ないかとも思うのですが……やっぱり、ヤキモキしますよね。
昔、伊勢に来た時もそうでしたが、どうも近畿地方は私を歓迎してはくれないらしい(溜息)
・
・
・
かくして。
高山駅に着いたのは11時半!
……1時間半遅れだよ。
しかし、くよくよしている時間はありません!
到着が遅れた分、頑張って進まなければいけないのは自明の理!
とにかく駅からバスに乗り、琴水苑口(だったと思う)というバス停で、降ります。
約30分のバスの旅です。
バス停を降りると……
そこはド田舎だった。
……いや、本当に。
舗装された道路こそあれ、コンビニは勿論、自販機すらも無い。
鬼か山賊が出るんじゃないか、ここ?
もしくは熊。
……まあ、悔やんでいてばかりでもしょうが無いんで、森の水族館を目指しましょう。
道にそってちょっと歩きますと、それは簡単に見つかりました。
っていうか他には何も無いので、間違いようも無いんですけどね。
匠の館という民芸ミュージアム(なんだそれ)に併設している、小ぢんまりとした建築物……
これが森の水族館(全景)だッ!
小さい……あまりにも小さいです。
でも、外見だけで物事を判断するのは最も愚かな事。
早速、中へ入りましょう!
中へ入りまして、一番奥の突き当たりに鎮座ましますのは、このお方だ!
「わが国最大の淡水魚、かつては本州北部にも見られたが、現在は北海道のみに生息しているが河川開発なので自然環境では絶滅に近い。産卵期はサケ科のなかでは珍しく春の4〜5月で成熟するまで6〜8年もかかる。獰猛な動物食性なので水槽に手を入れないで下さい。
噛み切られる恐れがあります。」(赤文字は、私のツッコミです)
……何か所々突っ込みたくなる説明文なのですが、兎に角、日本最大の淡水魚である、
サケ科のイトウさんです。
あと、
イワナやアマゴ、ニジマスのいる水槽があったり、
同じ水槽の中に
錦鯉やデカイ金魚がいらしたりと、
結構ハンパない事をやってくれたりもします。
なるほど、なかなかに面白い水族館だ。
さて、次は何かな?
終わりです。
「……はい?」とか言いたくなりますが、本当にここで終わりなのです。
これが、森の水族館(内部全景)だッ!
……うん、やっぱり小さいね。
日本最小級と言うだけあってその規模は非常に小さく、下手をすると秒単位で見学が終了してしまう水族館です。
でも、意外に水槽の作りは本格的だし、大型魚のイトウも居ますし、コイや金魚とイワナを同居させる遊び心もあります。
一度は訪れてみたい水族館ですよね。
でも、周りに本当に何も無いんで、車以外で来ることはお勧めできません。
一日が無駄になります。
この私の様に!(後述)
目当てであった森の水族館も片付きましたし、私としては早い所人里市街に降りて食べ歩きとかをしたい所です。
だって、飛騨高山くんだりまで来たのに、訪れたのが小さな水族館一軒だけじゃあ、悲し過ぎるじゃないですか。
さあ、バス停で帰りのバスを待とうっと♪
・
・
・
向こう側(帰り方向の車線)には、バス停が無いんですよね。「ここ(行き車線側)で待ってればいいんじゃね?
バスが来たら、合図か何か送ればいいだろう」……って、バスが来たんですが。
思いっきりシカトされまして。
え”え”え”え”!?
だって今、運ちゃん明らかにこっち見たじゃん!!
ふざけんな待ててめぇこの野郎!……って言いたくても、相手は既に射程外です。
次のバスは、あと1時間後。
……歩く、か。
かくして、私の行軍が始まったのでした。
この辺は自動車道ですので歩道なんて殆どありません。
狭い路側帯を、とぼとぼと上がったり下ったり……
……結局、バスで30分の道のうち、3分の1くらいを歩きで50分かけて進みまして。
で、そうこうしている内に、次のバスに追いつかれたんで、それに乗って高山市街まで帰りました。
ま、一日が無駄になったとまでは申しませんが……
無駄に疲れました。
パトラッシュ、僕はもう疲れたよ。
それに、とっても酒が呑みたいんだ。
だから地ビールと生原酒「蓬莱」を呑んで!
宿帰って寝る!
……私が甘かった。
地図上ではアクア・トトぎふとJR岐阜駅に、あまり(歩ける距離では無いとは言え)距離はなかった。
更に、前情報では岐阜駅からバスで一本と言うこと、そして何より比較的都会で観光地と言う先入観が、私に読み間違いを起こさせたのであります。
「これだけ距離が近いんだから、行くのはお昼くらいで十分だよね」
帰りは16時半までに岐阜に戻ってきて名古屋に出れば、帰りの新幹線間に合いますので、結構余裕のつもりだったのですよ。
で、
金華山に登り岐阜城を攻略し。
歴史博物館を襲撃。
道中、お土産に湯葉や鮎を購入して、岐阜駅着が12時過ぎ。
さあ、バスはいつ来るのかな?
へ……?
次のバスが来るのは1時過ぎ?
しかも向こうに着くのは30分後だが、2時代、3時代には帰りのバスは一本も無いいぃ!?
何だそれ。
つまり、行く事は出来ても、帰って来る事は出来ないって事?
4時代ならバスはありますが、それじゃあ帰りの新幹線に間に合いません。
どうするか。
……タクシー使うか?
でも、運ちゃんの話だと5千円近く掛かるって言うし、そんな無茶な……
……諦めるか?
しかし、多分岐阜になんてもう二度と来ないし……二度と来ない……二度と……
・
・
・
……分かった。
運ちゃん。
>予算一万円で……
往復やってくれるな?(血涙)
ふっ……いいんだ。
もう二度と来ないんだからな。
もう二度と……
・
・
・
うわあぁぁぁん、
もう二度と来ねぇよ、こんな県!!!!
馬っ鹿野郎ぉぉぉぉ!!!!!(T□T)
・
・
・
かくして何とか辿り着いた今回の旅のメイン・水族館「アクア・トトぎふ」。
岐阜県世界淡水魚園という一大アミューズメントスポットに建てられているこの水族館は、淡水魚専門の水族館としては国内最大級だとか。
タクシーから降り立った私は、早速……
豪雨に打たれながら……
館内に突貫!しました。
入り口を入った所で、館内展示とアシカショーの2択を迫られます。
入った時に即、アシカショーの時間が合えばいいのですが、合わないで館内展示を先に選択すると、アシカショーまでに戻ってくるのが大変だと思う。
そもそも何でアシカショー?
淡水魚水族館じゃなかったの?
(↑交通の不満を引きずっているらしい)
……まあ、アシカ可愛いから良いけど。
ちなみにこの時、天候は豪雨でした。
アシカショーが終わったので、水族展示に挑みますよ。
エレベーターで一気に4階に向かいます!
ここはどこだ!?
って感じで、突然、開けた世界に。
ここからじっくり、長良川の流域に沿った生き物の展示が始まります。
「長良川上流」コーナーでは、滝をバックにスタッフのお姉さんが写真を撮ってくれます。
……まあ、後々1000円で売りつける訳なんですがね(邪笑)
私は男一人だったからでしょうか。
普通にスルーされました。
アレ、ここにいるのは
マスですね。
ここは滝の下で、かなり深い水槽の上方なんです。
だから普通、こんな上の方まで魚が上がってくるのは想定外なんじゃないかな。
魚の説明が無かったんです。
こう、見ただけでパッと
「これはサツキマスですね」とか言えると大層格好良いのでしょうが、生憎私、そこまでの知識は持ち合わせておりません(ダメじゃん)
答えを知る為には
暗い回廊を通って、
3Fに降りなくてはなりません。
さあ、では行きましょうか。
・
・
・
はい、という訳で、先ほどの水槽の下方であります。
ここに居るのはアマゴやサツキマス、イワナです。
ってえ事は、先ほど上にいたのはやっぱり、サツキマスだったのですな。
オクア・トトぎふお魚漢字字典〜♪
コイやアユなど、おなじみの魚から、結構マイナーっぽい魚も載っていますね。
小ネタって言ってしまえばそれまでですが、やはり勉強になります。
長良川コーナーは、上流から河口まで様々な魚がおり、また魚以外に鳥や爬虫類が居たりと、なかなか楽しませてくれます。
それを越えますと現れるのがココ!
博士の探検小屋!
『ここはメコン川の岸辺にある「メコン川淡水環境研究所」です。
日本人の博士がメコン川の環境調査を行いながら、日本と東南アジアの淡水生物の比較研究を行っています。』との事。
だが、いきなりメコン川に行けるかと思ったら、まだ早い!
まずは比較対象として、日本やアジアの淡水魚を紹介していきましょう。
日本の淡水魚の雄、イトウ!
森の水族館でも出会いましたが、やっぱりこのサイズは迫力ありますわ。
続いて
揚子江のカラチョウザメ!
1Mオーバーで、結構でかいですよ。
等など、色々な淡水魚を見せてもらった後で、いよいよ今回のメインイベント、メコンオオナマズの登場です!
メコンオオナマズはアクア・トトぎふのマスコットキャラクターで、
入場券や館内スタンプにもその姿が見られます。
さあ、ではご覧頂きましょう。
これが世界最大の淡水魚
メコンオオナマズだッ!
写真じゃちょっと分かりにくいですかね。
これ、かなりデカイです。
地面と同じ高さに設置された大水槽内を悠々と泳ぐメコンオオナマズ。
なかなかに壮観であります。ちなみに、食べても味は泥臭いんだとか。
今のところ、せいぜい1Mクラスなのでちょっと驚くぐらいなのですが、最大3M近くまで成長すると言う事で、今後が楽しみな魚であります♪
さあ、次々に行きますよ!
アフリカはコンゴ川の
デンキナマズ
コレもメートルクラスでデカイ!
今までどこの水族館で見た、どのデンキナマズよりもデカイです。
アメリカはアマゾン川の
ピラルクー!
なんと3M近い大きさで、このアクア・トトぎふでは最大の魚でありましょう。
確かに迫力が違います!
この後は、実験コーナーの様な所や、バカでっかいタッチングプール(本当に相当でかい)があったりします。
意外に気付きにくいですが、お土産コーナーも充実ですよ★
真新しい感じのアクア・トトぎふは、2009年現在で5周年。
なるほど、新しい訳だ。
普通の水族館だとどうしてもワキ役に廻ってしまう淡水魚ですが、ここを訪れるとそんな事は無い。淡水魚も立派にメインを張れるんだと言う事に気付かされます。
特に南アメリカやアフリカの巨大魚は圧巻の一言。
これを観る為だけにでも岐阜を訪れる価値は、十分にあると考えます。
自動車道に隣接し、自家用車等では非常に来易い様な立地になっているのも特徴ですね。
でも、岐阜市の観光地とは反対側にあるので、公共交通が発達していないのが難点ですが。
かくして。
帰りもタクシーに乗りまして、往復で7千円余り。
……痛い出費でありましたが、見応えのある水族館でありましたしね。
駅に戻り、名古屋から新幹線に乗りまして、東京へ帰ってきました。
今回は天候に恵まれず、蒸し暑い雨の中を歩き回るという、なかなかハードな旅となりました。
相変わらず、交通上でのアクシデントも多かったですが、美味しいものも食べたし、良い水族館とも出会えたしで、振り返ってみればなかなか楽しい旅でした。
……東京駅で、黄色い新幹線にも逢えたしね。
〜Fin〜