3月7日(火)
(2006.03.07)
南方見聞録(美ら海水族館+α in沖縄)


 全国のファンの皆様、お待たせいたしました!

 水族館大好き生首GAUさんの、今回の旅は沖縄です。

 最大の水族館で御座いますか?
 名古屋港、大洗、色々御座いますなあ……
 しかしたった一つ……とおっしゃいますならば

 美ら海(ちゅらうみ)水族館で

 ございます。

 沖縄は美ら海水族館と言えば、名著「水族館の通になる」でも世界最大の水族館というお墨付きを貰った最強の水族館。
 むしろ「今まで何故GAUさんは行かなかったのか?」
 そう問われても仕方のない物で御座います。

 しかし今回、遂にそれを訪れる機会に巡り会えました。
 2泊3日の沖縄旅行、襲撃する水族館は美ら海のみではありますが、お楽しみ下さいませ。


プロローグ
一日目
二日目
三日目&エピローグ

 プロローグ:始めから余りにも波瀾万丈
 今回、この日程でお休みになる事がかなり前から分かっていたので、旅行会社のフリープランツアーを利用しました。
 これだと、自分でチケットを手配し、ホテルの予約をするより3万円近く安上がりだからです。
 しかし既に飛行機の席が余り空いておらず、朝一番、6時40分羽田発の飛行機に乗ることになりました。
 コレだと、F沢5時4分発の始発電車に乗って、ようやく間に合う危ない橋です。
 それを乗り損ねると、次は31分
 羽田までは約1時間掛かるので、絶望的な事態となります。

 2006年3月7日午前5時8分。
 GAUさん起床。





 あれぇ?(滝汗)





 余りの絶望的な状況に、既に顔は半泣きを通り越して引きつった笑みすら浮かべておりました。

 もう既に間に合わないと分かりつつ、それでも全速力で服を着替え、自転車に飛び乗り、GAUさんは駅を目指すしかありませんでした。

  
もう間に合わないのに!
 

 F沢駅に着いたのは午前5時13分
 ……正直、起床から5分で駅に到着できるとは思いもしませんでした。
 それでも既に遅いんだけどな。

 31分発に乗ったとしても、上手く行って羽田着は午前6時30分です。
 40分発の飛行機ですから、搭乗手続きが間に合いません。
 しかも、予約の時点で次以降の便に空きがありませんでしたから、下手を打つとこのまま旅行中止も有り得ます。

 意を決したGAUさんが、向かった先はタクシー乗り場。
 タクシーの運ちゃんに、「今から羽田に飛ばして貰えば、どのくらいで着くか?」
 と問うと、「40分くらいで着く。料金は1万5,6千円」との返答。

 ……元々、ツアーのお陰で3万円浮いている。今ココで1万5千円程度使ったところで、予算の範囲を超えることは無い。

 「乗った! 飛ばしてくれ!!」

 GAUさんの言葉が、雄々しく早朝のF沢駅に木霊します。

 ……かくしてタクシーは午前6時ジャストに羽田着。GAUさんは飛行機に間に合ったのでした。

 しかし、運ちゃんの話によると、たまたまこの時間だから道路が空いていて間に合ったのだとか。
 あと10分も遅れて乗っていれば、道路が混んできてとても間に合わなかったのだという。
 ……私の人生には、こういうギリギリで助かるケースがかなり多いなぁ……


 ココまでプロローグ
 すったもんだがありまして、ようやく沖縄は那覇空港へたどり着きました。

 暑い。

 「3月初旬なら、沖縄でもう桜が咲いているかも知れない♪」
 な〜んて期待してた自分は甘過ぎました。

 とっくに散ってるんだってさ、桜!!

 もうすぐ初夏なんだってさ、沖縄!!!

 ……ま、見られないのなら仕方がありません。気持ちを切り替えて楽しみましょう。
 美ら海はメインで2日目の予定ですので、初日は普通に観光を楽しむことにしました。

ひめゆりの塔に……
平和祈念公園……
 ハイ、終了。

 だって、この旅行記は水族館レビューがメインですもの。

 それ以外の物は迅速に通り過ぎるのです。
 戦争はイヤですね。
 ええ、本当に。

 さて、

 イヤな話などしていても面白くありませんな。
 ちょいとグルメに走ります。
サトウキビアイスさとうきびスティック
 どちらもひめゆり横のお店で購入しました。
 前者は何というか……黒糖アイス?
 もう、そのまんまのイメージです。美味いけどね。

 後者のさとうきびスティックは、サトウキビの皮を剥いた物で、囓りながら液を吸う物です。
 コレも旨いんですが……ガジガジ囓っていると、何だか味の染みついた割り箸を、いつまでも意地汚くしゃぶっている様な感覚になり、何だか妙な感じでした。

 なお、今回ひめゆりの塔から平和祈念公園までを歩いてみたのですが、かなりシャレにならない距離でした。
 日差しや気温はそこそこ高いのですが風が心地良いので、楽しい事は楽しいのですが……如何せん、遠すぎる。
 足が疲れ果てましたよ、私ァ。

 歩いている途中、通りすがりのタクシーの運ちゃんに
「(平和祈念公園まで)遠いよ。貸し切り6千円で良いから乗らないか?」と、営業を含めた心配をされました。

 しかし、朝の段階で既に1万5千円という大枚を叩いてしまっているGAUさん。
 削れる出費は極力抑えたい所です。
 「いえ、本当に結構ですから。ありがとうございます」
 と切り返して乗り切りました。

 平和祈念公園の近くに具志頭歴史民俗資料館と言うのがあり、港川人に関する展示があるようだったので行ってみようと思ったら……
火曜日は定休日だそうで。

 かくして夕方になり、夜になり。

 拓洋さんという沖縄料理のお店で飯に。

イラブー汁定(生)
 右端のスープに白く浮かんでるのがイラブー(エラブウミヘビ)の卵です。
 食べた感じは、発泡スチロールを食べているようで、余り美味しくない。
 でも、同じスープの中に入っている身や内臓、他の料理はかなりイけました。

奥が8年物。手前が37年物の古酒。
 グラスに入っているのは水です。
 古い物の方が味が丸くなっていて、味わい深い気がしました。

 ただどっちも強くて、口に含むと痛かったです。

 ……そんなこんなで一日目は終了。
 2日目に続きます。


 二日目:意外にも美ら海は……
 さて、二日目です。
 今日は、遂に美ら海水族館を襲撃します

 美ら海のある海洋博公園に行くには、まず、那覇から高速バスで1時間40分
 それからバスを乗り換えて50分
 計算上では2時間30分ですが、ココは沖縄。
 乗り換えの便が良い筈も無く。
 9時過ぎにホテルを出た筈なのに、到着したのは12時半でした。
広い広〜い海洋博公園内の……

美ら海水族館です。

 エントランスに綺羅星の様に並べられた、繁殖賞。
 かなりの数です。
 中にはあのオオメジロザメの物もあります。

 ※繁殖賞というのは、「動物園水族館協会に加盟する園館で、飼育動物の繁殖に、国内で初めて成功(誕生後、6ヶ月を過ぎて飼育)すると、協会より授与される賞」の事。コレよりグレードの高い賞として、「古賀賞」と言うのがあり、水族館にとってはかなりの栄誉との事。

 続いて、はじめにある展示水槽が、このタッチプール。

 まずタッチプールってのも珍しいですね。
 大抵は最後の方にひっそりと在るんですが……

サンゴ礁の危険生物と銘打たれたコーナー。
 ハブクラゲ、ウンバチイソギンチャク、オニダルマオコゼ、アンボイナ等、色々紹介されていました。

ニセゴイシウツボとドクウツボ。
 まあ、丸々と太っちゃって。
 ウツボって、なかなか可愛い顔してると思うんですが……何かウツボの水槽の前では「うわ〜」っていう声がよく聞こえます。
 私の感性は、変なんですかねぇ?

トラフシャコ。全長30センチ以上になる、
 世界最大のシャコ。
 肉は食用。美味。との事。

 美味……ですか。
 これだけ大きいシャコ。食べてみたいですね。

サメ博士の部屋。
 手前にあるのはホホジロザメの皮です。
 デカいんですよ〜。実にデカイ。
 沖縄で捕獲された、全長5M、重さ1325キロのメスだそうで。 


 中生代に生息していた巨大な鮫、カルカロドン・メガロドンの顎の模型。
 最近ではこの模型、よく見かけます。
 ちなみに、アクアワールド大洗に展示してあった顎の骨の主はカルカロクレス・メガロドン
 所謂フツーのホホジロザメはカルカロドン・カルカリアス。う〜む、ややこしい……


 鮫の利用法色々。
 私が知っているのは下ろし金、薬、化粧品、食材、武器くらいなのですが……
 競泳用水着にまで使われてるんですか。コレはビックリ! 色んな利用法があるんですね。

 

「人喰いザメはいるのか」
 所謂、「大部分の鮫は危険じゃないよ」っていうアレです。
 鮫に対する固定観念を払拭する為の物なのでしょうが、冷静に考えてみれば、人に狙いを定めて襲う海洋生物など居るはずがない。
 餌にするにはハイリスク、ローリターンだし、第一水辺にしょっちゅう居る訳じゃないんだから、そんなのに頼ってたらすぐに滅びてしまうでしょう。

 つまり、人を襲う鮫ってのは「人だろうと何だろうと取り敢えず襲う」性質の鮫な訳で、代表的な物が
 オオメジロザメ、イタチザメ、そして有名なホホジロザメな訳です。

 そして……

 わざわざ沖縄くんだりまで来た最大の理由がコレ!
 国内で唯一、ココ美ら海でのみ飼育されている人喰い(をする事のある危険な)鮫、オオメジロザメです!

風格が違うぜ、風格が!
 この鮫は怖いんですよ。
 パワー、インパクトこそホホジロザメに敵いませんが、何とコイツは川を遡る!
 淡水で長時間生存できる唯一の鮫なので、人間を襲った回数はサメ界No.1なんだとか。

 この水槽で飼われているのはオオメジロザメだけではありません。
 同じく人を襲う可能性のある危険なレモンザメや…

…アレ、シノノメサカタザメがどうしてココに?

 何でも、元々普通の水槽にいたのだけれど、ダイバーにちょっかいを出すのでココに追放されたのだとか。
 ……罰って事で良いのか?


 この水族館、もう一つの目玉がこの大水槽。
 全景はとてもファインダーに入り切りませんが、6Mクラスのジンベエザメが遮蔽物も無く普通に見られます。
 世界最大のアクリルパネルや、世界最大の水族館観賞用窓を有し、何とギネスに認定されてます。
凄いですね。

 この横にはレストランがあり、コイツ等を観ながらお食事が出来ます。
 ……名古屋港水族館のイルカ水槽と、鴨川シーワールドの「シャチが見えるレストラン」を合体させたようなイメージですね。
 いや、ステキなんですけど。

 水槽の前は常に満席で、座る余地がありません。

 なお、この水槽、下から覗くことも出来ます。
頭上を巨大なジンベエザメが……

 この後、深海生物のコーナーがあり、なかなか面白かったのですが写真が撮れていません。

 新しいカメラだったので、フラッシュをたかなくする方法が分からなかった為です。
 水族館内の撮影では、フラッシュは御法度なのです。普通のコーナーでは特に注意書かれていなかったので、調子に乗って使っていましたが……

 流石に深海生物にフラッシュはまずかろうというので自粛しました。

 まあ、興味深いだけでネタには成らなかったんですけどね。

 外に出てみると、オキゴンドウとマダラバンドウイルカのショーが行われていました。

コレがオキゴンドウ。顔がちょっと怪獣っぽいです。
 でも、ユーモラスな感じで少し可愛いかも知れません。

合成ではありません。
 マダラバンドウイルカのジャンプの瞬間。
 何か、本当に空を飛んでいるようです。

 ……ところで。

 イルカ登場の時点で、察しの良い方はあのフレーズが思い浮かんだ筈です。

 しかし。
 今回、イルカプール周りをくまなく調査したのですが、例の

 「イルカは噛みます」

 と言うフレーズは、遂に発見できませんでした。

 ただ……


 オキゴンドウはマグロのような大型魚を食べてしまうところから、別名シャチモドキと呼ばれています。
 イルカは餌を丸飲みにしますが、オキゴンドウは大きな餌を噛みちぎって食べます

 ただ噛まれるだけよりタチが悪い!

 噛みちぎるッ!!

 恐るべしオキゴンドウ。
 一見可愛いかもとか思いましたが、改めて見てみれば凶悪なツラです(笑)。

 皆さん、水族館では、これからはイルカよりオキゴンドウにご注意を!

 何と、コレで終わりであります。
 来る前はどんなに広い水族館かと思っていたのですが、実際に廻ってみると思いの外あっという間に終わってしまいました。
 確かに水槽の規模は大きいのですが、全体的な情報量では名古屋港大洗には敵わないようです。
 見終わった時の満足感は、新江ノ島水族館に近いかも。

 かくして帰路に着こうと思った時、私は大変な事に気付きました。

 帰りのバスが無い!

 私が乗ってきたバスの、帰りの便が15時で終了って何さ!

 ……結局、タクシー使いましたよ。
 沖縄は、アシの無い人間に厳しい。  3日目に続く!


 三日目&エピローグ:沖縄って……
 とうとう三日目です。
 首里城の方へ行って来ましたよ。
思いの外小さかった守礼門と

首里城。

 この日も兎に角暑かった。
 半袖一枚でてくてく歩いているだけなのに汗が噴き出す。
 春の格好じゃ駄目です。初夏の格好じゃないと……

ほらね、暑いから気を付けろってさ。

 ちなみに、沖縄のモノレール「ゆいレール」には、日本最南端と最西端の駅があります。
最南端の駅、赤嶺駅と…

最西端の駅、那覇空港駅です。

 後は……泡盛の「さくら祭り」と、「ハブ酒」、それから「スナックパイン」。

 スナックパインは手で千切って食べられるパインアップル。


 名作漫画「もやしもん」で、コレを食べながら講義を受けているシーンがありますが、こんな物を食べていたらとても講義に集中できまい。
 結構食べるの面倒くさいのでね。

 あ、でも千切り取った後の芯をボリボリ囓るのは楽しいです。

 総括:
 沖縄と言う所は、暑い。非常に暑い所です。
 いい人も多いが観光客が多くてうざったく、交通の便も余り良くない。
 泡盛は古酒である方がまろやかで味わいが深く、野菜やフルーツは美味いけど豚肉はそうでもない。

 っていうか、そもそも一人旅に向いていないのだね。この土地。
 そんな旅でありました。
 もし次回が在れば、カメラマンやドライバーなどのスタッフが欲しいところです。
 あと米兵。  



 〜Fin〜